この折り目のたくさんついた旧一万円札は今から約10年前に当時入院していた亡き祖母からもらったもの
病室のベッドの隣の引出しから小さながま口財布を取り、そこから小さく折られた一万円を小遣いにくれた
母方の祖母は早くに祖父を亡くしていたので女手一つで母たち五人の子どもを育てた
家を離れて食堂に住み込みで働いてた祖母は70歳を過ぎるまで食堂を営んでいた
年齢的なものもあって引退して実家に帰ってゆっくり過ごしていた矢先に脳梗塞で倒れた
命は取り留めたものの身体が不自由になり入院生活を送る事になった
毎日毎日一所懸命働いた祖母だが年金は個人でかけていた為、月に6万足らず
昔から決して裕福ではなかったけど不平や不満を言う人ではなかった
入院でいろいろお金がいるようになった時も年金より生活保護の方がいいのでは?なんて話もあったが祖母は拒んだ
そんな祖母が僕が起業する際にくれた一万円
「ごめんよ」
なんていいながらくれた一万円
それからしばらくして亡くなった祖母が最後にくれた小遣いの一万円
僕はずっと使えずに持ってる
経済的には弱い人だったのかも知れないけど愛情に溢れた強い人
お金じゃ買えない心をくれた人
僕もそんな人になりたい
そして少しでも、そんな優しい人たちの力になりたい
子どもや孫の為に一所懸命生きてきた祖母からの最後にくれた最高のプレゼントがまた僕に力をくれる
ありがとう
これからもずっとずっと見守ってて下さい。